majakkaのオーダーメイド額縁です。
なぜ、額縁つくりを仕事にしているのか。
額縁で何を伝えたくて、何を届けたいのか。
今回は、そんなお話しを。
-はじまり ------------------
子どもの頃から絵を描いたりモノを作ったりすることが好きで
自然な流れで美術大学でデザインを学ぶ身となりました。
それ以前から美術館で作品を眺めることは好きだったのですが、
作品よりも額縁に気持ちを惹かれていることに、うっすら気づいていました。
そして、なぜ、そちらに惹かれるのだろう。
と、考えることに真剣だったことを憶えています。
-額縁の魅力に気づく ------------------
海外の美術館から届くものには、描かれた作品と何百年もの時間をともに過ごしてきた額縁が、作品と一体となって世界を形成しているものが多くありました。
建築物をまとうような圧倒的な存在感と、作品に与える説得力に魅了され
ワクワクしながら額縁ばかり観ていたこともあります。
この存在感ある額縁があって、なかの作品に命が吹き込まれている。
作品と額縁の濃密な関係があってこそ、ひとに訴える力は強まるのではないか。
そんなふうに考えながら眺めていました。
-では、市販の額縁は? ------------------
額縁そのものに興味がわくと、市販品としての額縁にも興味がわくのですが、納得がいかないのです。
工場で均一に塗装されたツルピカな質感の額縁に、想いがこもっているのか?
ここに自分の飾りたいもの(作品)を入れて、作品は生きるのか?納得できるのか?
うすっぺらい印象の均一大量生産の額縁に納得が出来ず、
それらの塗装を剥がしたり、上から別物で覆ったりして、
なんとか中身と釣り合う額縁に仕立てたりすることもありました。
-額縁の役目って? ------------------
額縁の役目は、もちろん作品の保護という機能面もあるのですが
「わざわざおさめる」という、そのわざわざが、キーワードだと思うのです。
気持ちとして、どうでもいいと感じるものなら、
そのままポンと置いておくだけで充分なはずです。
しかし、わざわざ、額縁におさめて飾るという行為をする。
という背景には、その「もの」に対する気持ちがとても大きいことに所以していると。
その「大切」を際立たさせて、枠で縁取ることで、
日常と「大切=特別」は切り離され、その「もの」を強く意識させて、
持ち主、観る者に訴えかけてくる存在に仕立てあげる。
額縁には「もの」に対する責任感と使命感がある。
だからこそ、どうでもいいような感じの市販の額縁には納得がいかなかったのだと思うのです。
-そんな【特別】に応えられる額縁との出逢い -----------------
そんな額縁に対する想いを自分なりに解剖しているときに
「本縁」(ほんぶち)という
手仕事でひとつひとつの額縁を古典技法で仕上げる職人がいることを知り
無我夢中で、その世界に入っていきました。
大学を卒業して間もない20代初めの頃のことです。
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今回は、ここまで。
おそらく、この「本縁」を制作されている職人さんとの出会いがなければ
いまの自分は、ないと思っているのです。
次回は、自分の作る額縁で、なにを伝えていきたいのか?
ご依頼主のなにを叶えるために額縁はあるのか?
考えていきたいなあと思っています。
正直、手軽でチャッと飾ったらお部屋がオシャレになっちゃった♪
というような額縁は作ってはいません。
でも、気軽に、飾っていただけたら嬉しいな、と思っているんです。
今回のブログ読んだら、そうは思えないよー、重々しいよー!
って、思うかもしれないけれど。
根底にあるのは、自分にとっての大切と、身近で
もっと、ふれあって、寄りそって、暮らしてもらいたいなあって。
自分の大切と向き合って、ともに生きることで
ひとはもっと健やかに、そして幸せになると思うんです。
額縁を作ることで、そのサポートをしていきたいんです。
では、また!
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