majakkaのオーダーメイド額縁です。
ひとは、なぜ飾るんだろう。
なぜ、飾るという「行為」をするのだろう。
ということと、いつも真剣に向かい合っています。
わたしには2つ齢の離れた姉がいました。
姉は数年前に亡くなりました。
4人家族のなかで、誰よりも先にいなくなってしまうんだろうな、
という気持ちの整理はついていたけれど
実際にその時を迎えると、気持ちはついていかなかったなあと思い出すのです。
そして、整理がついていないからでしょうか、
姉の姿を飾る、自分のための額縁が、いまだに作れないのです。
そう。
なぜ飾るのか。
自分自身の気持ち・心の整理をつけるために
飾るのでは、ないでしょうか。
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前置きが長くなってしまいましたが、
今回、ご紹介する額縁、
ご依頼のされかたが、とても素敵だったんです。
亡きお父様とお母様とお兄様を、ひとつの額縁に飾りたい。
そして、真珠も一緒に飾りたい、と。
真珠?
お話しを伺うと、
お父様がお母様に贈られたものとのことでした。
わたしに託されたけれど、これはわたしではなく母が持つべきもの。
だから、額縁に一緒に飾りたい、と。
糸からはずされて保管されていた真珠を
ぱらりぱらりと自然にまくような
そんな印象で布に縫い付けていきました。
亡き人を飾る、遺影には、こんなかたちでは…
という既成概念があるのかもしれません。
でも、その写真を大切にそばに置くのは
そのかたと、いちばん近くにいた親しいかたのはず。
だからこそ、既成概念で飾りかたを決めるのではなく
そのひとにとって、
いちばん寄りそえるかたちにすることが大切なのではないかと思うのです。
ご依頼主の希望で、青色に仕上げた清々しい額縁。
額縁は誰のためにあるのか。
そのひと自身のためにあると。
いつか、わたし自身にも
姉の姿を飾る額縁を作りたいな、そう思うのです。
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